Kanaan Winery  W-R06

国名 / CountryChina/中華人民共和国

出展分野 / Product CategoryWines / ワイン

出展者プロフィール / Exhibitor Outline2010年、ドイツから帰国した王方(ワン・ファン)は、夢の中で「故郷に帰れ」と呼びかける声を聴いた。賀蘭山の麓にある寧夏へ——。父の王奉玉(ワン・フォンユィ)氏は中国ワイン業界のパイオニアで、娘にこう提案した。「ワインが好きなら、故郷で自分のワインを造ってみないか」

こうして生まれたワイナリーの名は「迦南美地 ワイナリー」。旧約聖書に描かれる乳と蜜の流れる約束の地に因んだ命名だ。

ドイツで長年生活した王女史は、寧夏で同国の代表品種リースリングの栽培に挑戦した。当時寧夏産区では高級ワイナリーが相次ぎ誕生していたが、リースリング栽培は常識外れの挑戦と見なされていた。友人たちから「クレイジー・ファン」と呼ばれても、彼女はこの狂気じみたアイデアの実現可能性を信じて疑わなかった。

迦南美地 ワイナリーは寧夏・賀蘭山の扇状地に位置する。粘土質を主体とした比較的低い標高の地形は冷涼な気候をもたらし、リースリング栽培に理想的な条件を備える。先行事例が乏しい中、王女史は10年以上の試行錯誤を重ね、寧夏産区におけるリースリングの栽培・醸造法を確立してきた。

この過程で中国内外の専門家と積極的に意見交換。「寧夏産リースリングがドイツの名門ワイナリーに劣らず、かつ産区の風土色を帯びる可能性」を確信していた。父や寧夏の先駆者たちから受け継いだのは、逆境に立ち向かう精神だ。「2000年代、酒豪でもない父が砂漠から葡萄畑を拓き、賀蘭山産区の礎を築いた。『寧夏で良いワインが造れる』という固い信念があった。私はより多くの知識と優れた環境を持つ。失敗しても再挑戦すればいいのです」

現在同ワイナリーはリースリングを中核に据え、ドライから半甘口まで国内外で好評を博す。加えてカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンド、シラー単一品種の赤ワインも醸造。多様な味覚が寧夏の可能性を伝え続けている。