Cheng Zhao Kui Ran & Zaxee  W-R06

国名 / CountryChina/中華人民共和国

出展分野 / Product CategoryWines / ワイン

出展者プロフィール / Exhibitor Outline2015年、西北農林科技大学はシャングリラ産区のワイナリーからの要請を受け、ワイン醸造学科の学生・全世平(ゼン・セイヘイ)を現地派遣した。中国北西部・甘粛省出身の若者が、この高原の地と運命的な出会いを果たす契機となった。

シャングリラ産区は雲南・四川・チベットの省境に位置する。怒江(ヌージャン)、瀾滄江(ランツァンジャン)、金沙江(チンシャージャン)が北から南へと雲を貫く横断山脈を並走し、標高差の激しい急峻な河谷を形成。多様な生態系と民族文化が交錯する。チベット族をはじめ多民族が共存するこの地では、「扎西(ザクシー)」——チベット語で吉祥を意味する言葉が日常の挨拶に用いられる。

全氏はこの地の多様性に魅了された。低標高の乾燥した河谷で栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨンから、高標高の冷涼な斜面に適応するリースリングまで、皺のように複雑に入り組んだ地形が多品種の栽培を可能にする。専門教育を受けた醸造家でありながら、特定のスタイルに固執せず、シャングリラの風土が秘める可能性を探求し続けている。

橙照葵然が自然派ワインと出会ったのも、全氏がシャングリラに赴いた同年のことだった。それまで伝統的な醸造法を守ってきたこのワイン農家は、型破りな自然派ワインの世界観に衝撃を受け、自らの畑で実践可能か思索を巡らせるようになる。

華北平原を照らす陽光が、ヒマワリのような温かな色彩を大地に染め上げる——これが「橙照葵然」の名の由来だ。河北省張家口市に位置する葡萄畑は、2つの河川に囲まれた小高い丘に立地。風が強く冷涼な気候ながら日照に恵まれ、葡萄は高い成熟度と爽やかな酸味を獲得する。

天然酵母、非温度管理発酵、有機栽培、生物動力法(バイオダイナミック農法)。これらの新たな概念が橙氏の栽培・醸造哲学を再構築した。2018年の創業以来、約20種類のワインを発表。いずれも実験精神に満ちた先鋭的な個性を放ち、中国自然派ワインの可能性を切り拓く存在として注目を集めている。